小説

スポンサーリンク
小説

墨紅 last run

・プロローグ 地中しか知らない私にとって、地上は恐怖の対象だ。四方を囲むこの土塊(つちくれ)の無い世界など考えたくもない。ここは静かで安全だ。だから私はここに居座り続ける。仄かに湿り気を帯びた土独特の香りが鼻腔を刺激する。 だというのに・・...
小説

墨紅の狩人

エミと狼🐺 第一章 安城エミの人格形成 ・昔話その一 その日のことはよく覚えている。 まだ肌寒い二月の墨紅市。暗闇の中に輝く大きく赤い満月が私たちを見下している。時計台の針は深夜零時を超えていて、その場にいる人間は私だけ。 黒い影が、ぬっと...
スポンサーリンク