
損を・・・・・損を取り戻すんだ・・・・・!
負けたら養分、負けたら養分だ!
夜の11時30分。
社畜は節約のために電気を消した部屋でPCと向き合っていた。
更新ボタンを・・・・・連打!連打!連打!
祈りを込めて更新ボタンを押しまくる。少しでも含み損が減っていることを祈って。
石油の価格が上がっていることを願って。
コロナウイルスが収束する未来を信じて。
が、ダメ!

はぁ・・・・・はぁ、はぁ
動悸が激しくなる。
息が苦しくなる。
冷や汗が出てくる。
どうしようもないことだと分かっていても、更新ボタンを連打する右手は止まらない。
更新すればするほど増えていく含み損。
絶望・・・・・・圧倒的絶望が社畜の目の前を暗くした。

俺は・・・・・・何のために生きているんだろう
人よりも我慢して、昼飯も食べず、恋人も作らず、セミリタイアを目指して節制に勤めてきた過去。
苦しかった、ひもじかった、けれどもセミリタイアを夢見て耐えてきた日々。
それらが全て無為に帰す瞬間。
なんのために生きてきたのか分からなくなった。
ただ貯金しているだけの方がよっぽどマシ。
その事実が、誰よりも節約し投資に対して真摯に向き合ってきた社畜の自尊心を打ち砕く。

寝よう・・・・・・すべてがむなしい努力だった
布団についた。
天井を呆然と眺める。暗闇に視界が慣れてきて、だんだんと天井のシミが見えてくる。
時計の秒針を刻む音が、やけにはっきりと聞こえる。
カチカチカチ

寝なきゃ・・・・・・!明日は会社なのに!
布団を頭までかぶり、必死に寝ようとする。
しかし、そうすればそうするほど眠れない。
汗が出て、寝返りをうって、トイレに立ち上がり、また布団に入る。
株で大損した絶望、明日会社なのに眠れない絶望、冷や汗と頭痛。
全てが反転した。
悪い流れが、回転する渦のように加速する。その中心に自分がいて抜け出せない気がした。

うう・・・・・う~
社畜は布団の中で、一人涙を流した。
どこで間違ったのか。
RDS.B集中投資を志したときか?
三菱ケミカルホールディングスをmuse細胞に対する期待で投資したときか?
それとも投資を始めたときか?
後悔ばかりがつのる。
後悔してもどうしようもないことを、後悔する。
圧倒的無意味な時間!そんなこと、分かっていた。
・・・・・・・

・・・・・・・
そして夜は明けた。
社畜は布団から起き上がり、着替えを始める。
雇われ労働者は、休みを自分で決めることはできない。
どれだけ体が重くても、出社しなければならない。
今日も社畜は会社に行く。
会社で稼いだ金を株式市場に注ぎ込む。
そうして身ぐるみはがされて泣く。
苦しいけど、それが私の日常だ。
以上、負け組投資家の独り言でした。
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